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#118 カジノ、決して簡単じゃないしバラ色でもない 大和総研ほか 平成27年

IR(カジノを含む統合型リゾート施設)に関する報告書を大和総研が公表(平成27年1月)。経済効果などを認めながらも、数多くの課題を指摘した内容。

 これまでどの公営競技、公営くじ、パチンコにも参加したことのない消費者層が新たにカジノのプレイヤーになることはそれほどは多くない。カジノ開設によって、公営競技はじめ競合の売り上げの減少がある程度見込まれるが、カジノを含めた国内市場全体のパイが再拡大するとは考え難い(大和総研レポートより)


 縮小を続ける日本の公営競技(中央・地方競馬、ボート、競輪、オートレース)、公営くじ(宝くじ、toto)、パチンコ市場

 1995年の売上高合計は約40兆円
→2013年の売上高合計は約24兆円

ピークは90年代で、軒並み半減。


ピーク時と現在の売上高比較をすると
中央競馬 4・0兆円(1997年)/2・4兆(2013年)=60%
ボート 2・2兆円(91年)/9475億円(13年)=43%
競輪 1・9兆円(91年)/6063億円(13年)=31%
地方競馬 9862億円(91年)/3553億円(13年)=36%
オート 3497億円(91年)/687億円(13年)=19%
パチンコ30・9兆円(95年)/18・8兆円(13年)=60%
(大和総研まとめ)

半減どころか、軒並み1/3、オートレースに至っては1/5になっている。

2001年以降、2014年までほぼ毎年どこかで公営競技場が廃止されている。(2007年のみ廃止はなかった)


ファン層の固定化の問題。
 マニア化が進むと新規のファンが参入せず、既存ファンの高齢化が進む一方。新規ファン層の開拓は、どの公営競技も苦慮。スポーツ競技の側面もあり、プレイする上である程度の背景知識が必要になるため敷居が高いという指摘。



レポートでは、
①内需
 「国内の公営競技、公営くじ、パチンコ市場は衰退期に入って久しい」
 「サラリーマンの平均給与と関係が深い」
 「余暇の過ごし方の多様化が以前より進み、ピークまで市場拡大は考え難い」
 
現在の国内市場環境下でカジノが導入された場合であっても、カジノの導入を契機として、これまでどの公営競技、公営くじ、パチンコにも参加したことのない消費者層が新たにカジノのプレイヤーになることはそれほどは多くないと考えられる

 公営競技や公営くじはインターネット販売シェアが拡大し、以前ほど立地が大きなファクターにはなっていない。

 カジノ開設によって、公営競技はじめ競合の売り上げの減少がある程度見込まれるが、カジノを含めた国内市場全体のパイが再拡大するとは考え難い


②外需
 不確実性はないか。アジアのカジノ市場の競争激化。アジア諸国はカジノラッシュという状態。カジノでは後発国となる日本には、カジノを設置するだけではもはや強みがなく、他国のカジノビジネスとの大きな差別化が必要になる。

 アジアのカジノ市場における中国人観光客への売り上げ依存構造。マカオやシンガポールの売り上げに翳り。中国人富裕層の海外旅行先が近場のアジアからより遠くの国にシフトしつつある。

 日本のカジノビジネス参入は早くても数年後。国際的なカジノ市場のマーケティング調査は慎重に行うことが必要・・・



 
次のような報道(平成27年4月)も
 本国の米国はすでに施設過剰で飽和状態/世界最大のカジノ市場であるマカオが、中国の習近平政権による“倹約令”で客足が激減/
ラスベガスは堅調。多くのカジノ運営業者がカジノに依存したサービスを見直し、多角化が一定の成功。「統合型リゾート施設(IR)」への動きが広がっている(産経WEST)



 この辺はカジノについてまとめたブログ「カジノル」がかなり詳しい。マカオの平成27年のカジノ収入は、平成26年比マイナス35%なんだとか。観光客数は横ばいなのに、月別カジノ収入は平成27年12月まで19ヶ月連続前年割れ。売り上げは高額を賭ける「VIP客」依存の傾向。



統合型リゾート(IR)構想と検討課題3(大和総研)
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どらったら!(平成26年〜28年秋)の続き。
中央区とその周辺に関するメモ。

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