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#334 老朽化した築地の豊洲移転こそ「都民ファースト」 日本維新の会が豊洲移転について提言

日本維新の会が15ページの「豊洲市場移転問題に関する提言」を発表(平成29年3月9日)しているのでメモしておく。




名称未設定 

(日本維新の会)



 翌10日の記者会見で小池知事も「選挙対策では」と気にしていたその中身はかなり説得力があった。小池知事のリスクコミュニケーションの不足が風評被害を読んでいるとも読める。

 大田市場への一部移転案は過去に提案されたことがあって、大きな反対運動が起きて断念されてた。築地ブランドの継承が不可能になるってことだろうか。








▼概要
1 はじめに
 豊洲市場移転問題が混迷を深めている。
 老朽化した築地の豊洲移転こそ「都民ファースト」である。
 全国の卸売市場に混乱。悪影響広がる。

 ゼロリスクの希求は豊洲地区、築地地区に甚大な風評被害。
 事業者が費用負担できず土地が放置されるリスク、汚染隠蔽リスクも。


➡︎都民の食の安全安心の実現に必要な論点を整理し政策提言する。






2 経緯
 世界最大級の取り扱い規模と「築地ブランド」の高い評価。
 昭和10年に建設された施設多く建物の破損、剝落箇所も多数
 風雨影響、開放型施設で商品の品質鮮度保持が難しい


 平成3年 現在地再整備着手。
 平成8年 工事中断
 平成11年 移転整備へ方向転換の意見集約
 平成13年 都卸売市場整備計画に豊洲移転明記、正式決定
 平成15年 豊洲市場基本構想
 平成16年 同基本計画
 平成17年 豊洲新市場実施計画
 平成18年 豊洲新市場整備等事業実施方針


(土壌汚染対策)
 平成19年 専門家会議
 平成20年 技術会議
 平成26年 土壌汚染対策全街区で完了
 平成27年7月 開場日決定(平成28年11月7日)
 平成28年8月31日 移転延期正式表明


理由は3つ
 ①安全性への懸念
 ②巨額かつ不透明な費用
 ③不十分な情報公開








3 論点




 小池知事が移転延期を決めた3つの理由のうち②巨額かつ不透明な費用③不十分な情報公開は豊洲移転後でも精査、検証は可能①安全性への懸念こそ最大の論点




(1)安心基準と安全基準


 土壌汚染、地下水の水質の規制基準には3つの基準


 1:法律上の安全基準➡︎土壌汚染対策法
 2:条例上の安全基準➡︎都環境確保条例
 3:豊洲市場にのみ適用されている安心基準➡︎豊洲新市場整備方針


 1、2は安全基準。
 3は科学的根拠が極めて薄弱な「主観的安心」を確保するための基準






名称未設定 



(日本維新の会「提言」)




安全基準と安心基準があるのではなく、安全についての適切なリスクコミュニケーションの中にしか安心はない。豊洲市場についても法律上、条例上の基準は十分に満たされており、安全なことを都は都民に対し、しっかり説明すべき。







(2)東京都の二重基準


 都が新市場整備方針に規定した安心基準=地下水基準は豊洲に適用されても築地に適用されない二重基準。豊洲は法律が求める以上の過剰とも言える土壌汚染対策が講じられたが、築地の土地も第二次大戦中に米軍のドライクリーニング工場。土壌が洗濯用の有機溶剤で汚染のおそれ。




 「コンクリートやアスファルトで覆われており、土壌汚染対策法などの法令上の問題もない」のは豊洲市場も同じ。築地市場の土壌汚染が「人の健康に影響を与えることはない」と断言するなら、豊洲市場も「人の健康に影響を与えることはない」と言わねばならない。豊洲市場で地下水モニタリングをするなら築地市場の地下水についてもモニタリングしなければ論理が一貫しない。


 東京都は、11ある卸売市場に一貫した論理を適用すべき。









(3)安全のためのリスクコミュニケーション


 大事なことは、土壌汚染の除去に執着するのではなく、仮に土壌汚染があったとしても、「コンクリートやアスファルトで覆われており、土壌汚染対策法などの法令上の問題もない」「人の健康に影響を与えることはない」(小池都知事)ことを、築地のみならず豊洲についても一貫して説明すること。






(4)豊洲市場移転と築地市場再整備等との比較考量
<築地>
 開場から82年。施設老朽化・劣化が顕著。大型トラックでの搬入出、荷捌き、駐車場スペース不足。人身事故頻発。開放型施設で温度、衛生管理不徹底となりがち。排ガス濃度高い。二置き場不足、床に箱置きも少なくない現状




<豊洲>
 温度管理、衛生管理ができる閉鎖型。空調、建物に接した着車スペース、専用の搬出入口。土壌汚染対策がなされ都心部では最もきれいな土壌の地域かも。建物の安全性も建築基準法に基づく検査済証。




<第三の選択肢>
 昭和47年 築地機能の一部を大田市場に移転を検討
 昭和56年 業界に提案
 昭和57年 築地本願寺での反対集会など激しい反対
 昭和61年 断念
 平成3年 現在地(築地)再整備に着手
 平成8年 工事中断
 平成11年 豊洲移転へ意見集約
 平成13年 移転正式決定






4 提言


 現地再整備や第三の選択肢より豊洲移転がベター。
(1)豊洲市場への移転に向けた調整の加速



 平成13年の移転決定以降、移転延期判断までの15年、関係者が努力を重ねてきた豊洲移転へ調整加速すべき。


 小池知事は丁寧なコミュニケーションが必要。


 地下水を計画水位以下に維持/地下ピットに地下水浸水しないようにすること/ベンゼンへの対策➡︎速やかに実施


 地下水水質を環境基準以下とするのは根拠薄弱で過剰基準。
 安心基準は将来に向けた努力目標という当初の位置づけを取り戻すことが重要。科学的なものではないことや主観的に都民の安心を確保する合意形成の中で作られたと都民に伝える努力が不可欠




 豊洲市場は年間100億円の赤字という報道は極めて不適切。経常損益を評価するにあたっては減価償却費の除外は当然。意図的な印象操作。








(2)適切なリスクコミュニケーション
 仮に卸売市場の安全性を巡って今後も不適切な対応を続けるような場合には、全国の卸売市場と国民の食の安全安心を確保するため、築地市場はじめ東京の卸売市場で働く事業者のため、甚大なる風評被害に苦しむ豊洲地区の住民のため立法措置も辞さない。







(3)都庁のガバナンス改革


 小池知事は、地下水モニタリングの結果がまだ出ていないという理由だけで移転延期を判断。築地市場にも土壌汚染の可能性があることを知っていれば、移転延期の判断は極めて困難であったろう。





結論
 東京都の都政改革本部が本当の意味でトップの判断を支えているようには見られない。都庁のガバナンスを問題視してきた小池知事地下空洞を決裁した管理者の責任や石原慎太郎元知事の責任を厳しく問う前に、自らがその責任を果たすことができるよう、都庁の組織改革に取り組むべき。







・・・




(リンク)
 豊洲市場移転問題に関する提言 (日本維新の会)
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