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#372 選手村=「誰もが憧れ、住みたいと思える街」に危機 臨海部BRT本格運行が街開きに間に合わない可能性

小池知事が独断で決定した豊洲市場への移転延期が環状2号線の本格開通を遅らせている。

環状2号の本格開通とBRTの本格運行開始の遅れに絡み、これまでほとんど指摘されていないかった深刻な影響が現れそうだ。東京都が「誰もが憧れ、住みたいと思える街に」する、と宣言した晴海選手村跡地のまちづくりだ。






すでに平成32年までに臨海部BRTが本格運行する可能性は消えた。


あとは、街開きに間に合うかどうか。間に合わないかもしれない。



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(東京都)



そうするとどうなるか。





▼選手村は「誰もが憧れ、住みたいと思えるまちに」と宣言

 オリンピック開催に絡んで、大会後には選手村を分譲して「誰もが憧れ、住みたいと思えるまちになる」と東京都資料で宣言している。舛添前知事も記者会見で言及していたように記憶している。
名称未設定
(東京都)=「CITY VIEW TOKYO」

 ただ、この計画は、環状2号線の本格開通によりBRTが計画通りに運行されることが大前提となっている。



▼選手村地区の現状
選手村を見ると、最寄駅となる勝どき駅までは
選手村ツインタワーから現状徒歩17分。

平成39年の勝どき東地区再開発終了後は徒歩14分(キョリ測)。


駅歩20分弱、バス便の立地ということになる。


現状では、ここに街ができても「誰もが憧れ、住みたいと思えるまち」にはならない。

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(中の人作成)





もともとは住宅地としては成立しえない立地という話が公になっている場所でもある。

それを街として成立させるには、新橋駅まで10分程度で直結させる臨海部BRTの本格運行が必須だろう。せっかくの臨海部BRTも環状2号が不完全な暫定運行では事実上のバス便立地となってしまうということになる。



▼BRTの役割を見る。
これは選手村の立地を駅勢圏とバス停圏で見たもの。
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(東京都臨海部地域公共交通網形成計画より)
上の図は東京都が臨海部地域公共交通網形成計画に示した駅勢圏(徒歩10分圏=800m)とバス停圏(徒歩3分圏=200m)。
拡大したものがこれ。
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(東京都臨海部地域公共交通網形成計画より)

 中央区晴海4・5丁目の選手村地区や豊海町地区は駅勢圏から外れた場所にあることがわかる。これを補うのが臨海部BRT。基本は「公共交通不便地域の解消」にあるというのは中央区計画の時代から何ら変わっていない。


BRT圏を徒歩5分(400m)と仮に置くと、カバーされるのは青い円。
名称未設定
(中の人作成)
BRTのカバーする範囲が選手村跡地を含めた公共交通不便地域をうまくカバーしていることがわかる。この円の外側にまちを作るのは新たな公共交通不便地域を生むことになるので相当厳しい。



※図では晴海5丁目のBRT圏が豊海町側にかかっているが、補助314号線と人道橋の計画は事実上放棄されているので、月島埠頭は全域がBRT圏の範囲外となる。





▼スケジュール



 環状2号線は東京オリンピックの1年前には築地区間のトンネルが完成していて、運用するための準備に1年ほど要するという話を聞いていたので、概ね、下のようなスケジュールだったと思う。
(市場移転延期前の環状2号本格開通ギリギリとされたスケジュール)
平成28年12月 暫定開通
平成31年6月 トンネル開通(30カ月)
平成32年6月 トンネルの本格運用開始(42カ月)
移転延期となったことで、整備の再開は東京大会後となるだろう。先のスケジュールをそのまま当てはめた場合

 平成32年10月 整備再開


 平成35年4月 トンネル開通(30カ月)
 平成36年4月 トンネルの本格運用開始(42カ月)


こんなイメージか。





・・・



スケジュール的にはもう間に合わないかも。

5650戸、12000人のまち、どうなるだろう。



環状2号線が臨海部と都心部を結ぶ幹線として使えない場合、勝どき駅への利用者集中と、晴海通りの一層の交通集中が予想される。


そうなると晴海通りでの地下鉄工事は困難となるだろうから、臨海地域地下鉄構想の実現にも障害になるだろう。


環状2号の早期本格開通が待たれる。
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Author:どら
どらったら!(平成26年〜28年秋)の続き。
中央区とその周辺に関するメモ。

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