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#492 東京2020大会の輸送運営計画「V1」公表 選手のため定時性・安全性・ストレスなしの輸送強調 平成29年6月

東京2020大会の輸送運営計画が公表された(平成29年6月5日)。計画は第1版(V1)となっている。当然のことながら、選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう定時性・安全性・ストレスなしの輸送を強調した内容。平成30年度中に具体的な計画案を盛り込んだV2となる。



名称未設定
(大会組織委員会、東京都)



東京臨海部に注目してみてみた。


▼V1概要

中身をメモしておく。

五輪 
大会関係者 約7万人
スタッフ 約17万人
観客 約780万人

パラ
大会関係者 約2万人
スタッフ 約10万人
観客 約230万人

大会成功の鍵は、この人数の円滑な輸送。

輸送目標・・・省略
輸送戦略・・・
 オリンピック・ルート・ネットワーク/パラリンピック・ルート・ネットワーク
 高密度・高信頼性の公共交通網活用
 総合的・先進的交通マネジメントの展開
 環境負荷低減
 レガシー継承、世界へ発信

輸送検討体制
名称未設定
(大会組織委員会、東京都)



◯大会関係者の輸送(選手村関連)
・選手及びNOC/NPCの宿泊施設である選手村を起点とし、競技日程及び練習日程に従い、各競技会場、練習会場間を専用バスで移動できる輸送システム(TA)の提供を基本とする
・選手村に宿泊できない追加チーム役員にも選手村⇔公式NOC/NPCホテル間を専用バスで移動できるTAを提供。
・競技観戦を目的とした選手村⇔競技会場、選手村⇔公式空港、選手村⇔新国立競技場(開閉会式時)のTAを提供
など


関係者輸送ルート(オリンピック・ルート・ネットワーク)
名称未設定
(大会組織委員会、東京都)

①大会ルート(選手村⇔空港、競技会場)
名称未設定
(大会組織委員会、東京都)

②練習会場ルート(練習会場への輸送に使用)
③代替ルート(大会ルートが使用できない場合に使用)
から構成。



◯オリンピック・ルート・ネットワーク(ORN)
名称未設定 2
(大会組織委員会、東京都)


・現在ORNを含む東京周辺の道路網について、交通需要と施設容量を踏まえた影響予測などを実施している。


◯輸送デポ
 バス・乗用車は管理拠点となるデポを設置
 必要に応じ、車両駐車スペース、管理事務所、配車場、運転手用ラウンジ、食堂.軽食エリア、倉庫などを設置。車両燃料施設、洗車施設、簡単なメンテナンス施設は費用対効果を検討しながら必要な措置。


◯観客・スタッフの輸送
 観客輸送には高密度、高信頼性の交通網を十分に活用
 ボランティアを含むスタッフも同様
 猛暑下での輸送になるので暑さ対策も検討

鉄軌道
 都内はJR東、東京メトロ、都営地下鉄、りんかい線、ゆりかもめなどを想定
 都外は郊外路線などを想定
 
・利用想定駅から会場までの距離が長く、徒歩によるアクセスが困難な会場はシャトルバス運行。
・観客輸送が通勤時のラッシュと重なり、都市活動に与える影響が大きくなる/輸送が深夜に及ぶことが懸念される


◯観客輸送の5つの基本的考え方
①歩行延長が過度に長くならないよう、会場から一定圏内にある鉄道駅を観客利用想定駅として選定
②入場と退場を同一駅とするなど観客にわかりやすい経路選定
③信号機が設置され、適切な幅員のある歩道とするなど、観客に安全な経路を選定
④入場と退場ルートは分離、生活動線に配慮
⑤入場と退場ルートはアクセシブルルートと同一経路に



◯シャトルバスによる観客輸送ルート設定の考え方
徒歩圏内に鉄道駅がない場合、または利用想定駅では容量が不足する場合、過去の実績を鑑みて、近くの鉄道駅からシャトルバスによる輸送ルートを設定



(観客利用想定駅一覧)
名称未設定
(大会組織委員会、東京都)


◯シャトルバスでの輸送を想定している駅
・馬事公苑(馬術)の用賀駅
・海の森クロカン(総合馬術)の東京テレポート駅
・海の森水上競技場(ボート、カヌースプリント)の東京テレポート駅と新木場駅
・東京スタジアム(ラグビー、近代5種ほか)



◯有明エリアの「退場駅」一覧
・有明アリーナ 新豊洲駅
・有明体操競技場 有明テニスの森駅
・有明BMXコース 有明テニスの森駅
・お台場海浜公園(トライアスロン) 台場駅
・潮風公園(ビーチバレーボール) 台場駅


◯非競技会場の大会関係者輸送 選手村
 特別な非競技会場。選手村から各会場に選手を輸送するため、複数の選手バスがスムーズに発着できる輸送モールを設置。選手輸送にあたっては、選手が最高のパフォーマンスを発揮するために、定時性と安全性を確保したストレスのない輸送がもとめられる。輸送モールは選手輸送の要となる施設であるため、輸送モールの適切な形状と効率的な運用方法については早期に検討を行う

 選手村周辺にはNOC/NPCの割当車両や用具車両、レートカード車両の駐車場を設ける。さらに、来訪が想定されるOF/FFやメディアなどのためにメインエントランスまたはその周辺に乗降場や駐車場を設けていく


◯課題
 過去の大会はオリンピックパーク設置。パーク内に一定数の会場が集中し、輸送の面で利点があったが、東京2020大会にはパークがない。会場の多くは朝夕の通勤時間帯をピークに交通が集中している地域。特に会場が集中する臨海部では港湾施設に隣接していることから物流関係の車両通行が多く、大会の交通と交錯することが予想される。輸送円滑実施には一般交通との調整必要。



◯輸送戦略の2つの目標
①質の高い輸送サービス提供
②大会に係る円滑な輸送の実現と、都市活動の安定の両立
 両立達成には、都市活動への影響の最小化+十分なサービス提供
 東京は大会会場が集中する臨海部に、都市活動や生活に必要な物資を受け入れる重要な流通拠点である東京港があり、物流の交通量が多い。物流に焦点をあてた検討も実施。


・・・


大会招致段階のオリンピック・レーンはこんなイメージだった。o0800071912868843635_201706060932554f2.jpg
(東京都)=再掲「どらったら!#48より」



ひとつ思ったこと。
選手村以北の環状2号がまともに使えない場合(先が見通せない以上、当然検討されているはず)

 環状2号線の利用を諦め、首都高晴海出入口〜湾岸線経由が唯一の基本ルートになる可能性があるのではないか。


 一般車両と大会関係車両の分離を考えると、晴海通りを封鎖するよりそのほうがマシな気がする。

 ただ、その場合は都心方面(新国立競技場)には10キロ弱遠回りになる上、選手は毎日レインボーブリッジでぐるぐる回される「おもてなし」をされることになるのかな


 全体を通して見て、思っていたよりずっと選手村の重要性は高かった。ただ、大会期間中は夏休みという時期もあって、観客輸送ピークが朝夕のラッシュに重なるといっても、あまり問題にならないのではないかな。

 その他、シャトルバス運行範囲が意外に狭いことや、物流交通と大会交通の交錯といったあたりが気になった。

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Author:どら
どらったら!(平成26年〜28年秋)の続き。
中央区とその周辺に関するメモ。

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