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#616 東京都の出生率に最強の負の関係のあるのは「人口密度」 相関関係と因果関係の違いを念頭に読むレポート

全国最少の出生率を独走する東京都。出生率を支配する要因をビッグデータから分析したというレポートがあった。曖昧さがなく非常にわかりやすいものなので、興味がある方は読まれるといいと思う。東京都の出生率に最も強い負の関係性があるデータが「1平方キロメートル当たりの人口密度」だというのには少し驚いたが、なるほどとも思う。


これは
相関関係と因果関係の違いを理解した上で読むレポート。





▼レポート概要
・日本の人口の1割を占める東京都の合計特殊出生率は半世紀にわたり全国最下位。影響は小さくなく、エリアの出生率の増減要因を知ることは重要。

東京都の62自治体の出生率と各データについて、関係があると言えるのか、どのような強さであるのか、プラス・マイナスどちらの関係性があるのかを分析。相関関係は因果関係を説明しないことに留意必要。

※全国ではなく、東京都についての分析ということ



(出生率のプラスの影響のあるもの)
・核家族化しているエリアほど出生率が高い
・婚姻発生より離婚発生割合が高いエリアほど出生率が高い
・10代が生んでいるエリアほど出生率が高い
・家が広いエリアの方が出生率が高い
・持ち家が持てるエリアの方が出生率が高い

・育った地元で働いている人が多いエリアの方が出生率が高い
・2次産業(東京都なので主に製造業)で働くエリアが多い方が出生率が高い
・エリアの公的借金割合が高いほど出生率が高い
・お母さんが働いている割合が高いと思われるエリアほど出生率が高い。



(出生率にマイナスの影響があるもの)
・人のエリアへの出入りが多いエリアほど出生率が低い
・1人暮らしが多いエリアほど出生率が低い
・賃貸で住んでいる人が多いエリアほど出生率が低い
・過密化したエリアほど出生率が低い

・サービス産業で働く人が主流の商業エリアほど出生率が低い
・1人あたりの納税額の多いお金持ちエリアほど出生率が低い
・保育園の待機児童が多いエリアほど出生率が低い
・医療サービス充実エリアほど出生率が低い
・文京エリアほど出生率が低い



(各自治体出生率の強いプラスの関係があるもの)
・年齢階級別出生率の30−34歳の女性の出生率
・年齢階級別出生率の20−24歳の女性の出生率
・年齢階級別出生率の25−29歳の女性の出生率

➡︎最終的には女性とそのパートナーが20代後半で妊娠・出産に心置きなく取り組める社会づくりが最重要タスク




生物学要因を外し、東京都の出生率を支配する要因8つ(5%有意水準)、重回帰分析
15歳未満人口比率(1%水準で有意)
②エリアの離婚件数を婚姻件数で割った離婚化指標:指標が高いほど出生率も高い傾向
1平方キロメートルあたり人口密度:高まるほど出生率は低下
④第2次産業就業者比率:高まるほど出生率も高い
1住宅あたり延べ面積1%水準で有意、マイナスの影響、島嶼部は除く):「大邸宅であるほど生まれない」
⑥飲食店数:「家事負担が少ないほど子供が生まれるのかも」
薬剤師数(1%水準で有意):「薬剤師を必要とする人が多いエリアでは出生率が低くなる」
15歳未満人口における保育所在所児童比率(1%水準で有意):15年間の保育所利用のトレンドを示す➡︎保護者が有業であるエリアほど出生率が高いということといえる
(以上、レポートを中の人が要約)




◯参考 東京都の出生率に対し関係性の強い上位10項目

正の相関
①母親の年齢階級25−29歳出生率 0・966
②母親の年齢階級20−24歳出生率 0・878
③母親の年齢階級30−34歳出生率 0・849

④持ち家比率 0・696
⑤1住宅あたり延べ面積 0・665
⑥母親の年齢階級15−19歳出生率 0・655

⑦離婚化指標(離婚数/婚姻数) 0・593
⑧核家族化指標(核家族世帯/全世帯) 0・543
⑨第2次産業 就業者比率 0・513
⑩15歳未満人口比率 0・502



負の相関
①1平方キロ当たり人口密度 −0・669

②借家比率 −0・590
③単独世帯指標(単独世帯/全世帯) −0・548
④一般診療所数 −0・535
⑤高等学校生徒数 −0・533
⑥病院数+診療所数 −0・530
⑦小売店数 −0・524
⑧高等学校数 −0・519
⑨歯科診療所数 −0・517
⑩単独世帯数 −0・516


・・・

これは久しぶりに面白いレポートだった。

繰り返しになるが、
相関関係と因果関係の区別を理解した上で読むレポート。


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