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#747 日本橋川の真上を首都高速が通ることになった経緯について

首都高速の日本橋川区間を地下化する検討が始まった。


日刊建設工業新聞


建設通信新聞


 日本橋川の真上を首都高速が通るに至る経緯を示した資料があったので、一部、まとめておく。




▼資料まとめ
 首都高建設の計画は戦前から存在。東京五輪がきっかけになって、用地取得の容易さを重視した計画に。

当初の首都高建設案で路線延長と敷地に占める土地の種別は
 ①首都建設委員会案 延長49キロ、河川敷9・1%
 ②東京都案 延長62・5キロ、河川敷41・8%
 ③都市計画決定 延長71キロ、河川敷35%


 旧都心4区内を通る首都高6路線の延長は18・3キロ。
 このうち61.8%が河川上空や、河川を干拓・埋立した跡地。
 隅田川沿いの河川敷を通過するのは33・3%なので、合わせて95・1%
➡︎東京都心部の首都高は河川空間なしに成立しない。


◯河川上空などが使われた背景
 当時の河川が下水道の整備の遅れで水質汚濁がひどく、河川の下水道化や暗渠化が望まれていた。


◯東京都市計画地方審議会(昭和32年)より
 道路交通の混雑状況から高速道路建設は必要だが、金と時間がない。
 都心の線状の公共用地として河川・運河が走っている。これを使って高速道路を作るのがいい。
 担当者は当初高速道路の地下案を検討。GHQが資金面から棄却(GHQはすでになかったので、在日米軍司令部の意向か)
 地下案は日本橋川の河床を利用して高速道路導入する案を付帯意見としたが、建設省側が聞き入れず。当初神田川を干拓しその上空にという話もあったが、神田川の氾濫の状況を見て断念。
➡︎日本橋川上空の高速道路に落ち着いた。



◯名橋「日本橋」への配慮
 日本橋上空の高架建設に当たって、当時の建設省担当者は、名橋「日本橋」に対する配慮は全くなかった様子。

 日本橋の照明灯上端から最低3メートル以上の上空を高架の下端とするよう再三変更を求めたが、全く変更の意思はなかった。
(元東京都道路管理部)



◯河道内橋脚が利治水、河川環境に影響
 日本橋川区間を高架にした結果、河道内に橋脚が林立することにより、治水と河川環境面での課題が顕在化。

 それ以降、工作物設置基準(建設省河川局)で高架構造の支柱を河道外に設置することや上部の護岸より川側への張り出し禁止が規定された。



規定の解説の中では
・都市河川の河川敷地は治水、利水のための敷地であると同時に、都市内に置ける公共空間を確保する重要な機能を有する
・首都高速では河川内に支柱。河川管理者は反対だった。破壊して失って初めて河川が確保していた空間の貴重さに気づいた。再びあの過ちを繰り返してはならない。
・東京の古くからのシンボルゾーンの1つだった江戸日本橋の現状はこれでいいと思う人はいないのではないか


 この規定はのちに、東京都北区の石神井川と首都高王子線の計画協議の中で、高架部分が石神井川水面を覆わない方向となるなど影響を与えたらしい。

 




 日本橋川上空の首都高高架というのは、道路管理者が治水面の危険性などを踏まえた結果らしい。当時としてはやむをえない判断だったが、解説の中に「過ち」とあるように、建設省(国交省)にとっても、失敗だったということのようだ。



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