平成30年11月16日、3カ月ごとに発表される主要都市の高度利用地地価動向報告=地価LOOKレポートが発表された。このレポートは不動産鑑定士が全国100地区についての不動産市場の動向に関する情報を集めて地価動向を調べ、国土交通省でまとめたもの。
・期間 平成30年7月1日〜10月1日
◯東京都区部の地価動向
(国土交通省)
重点3地区について現況と前期の比較をしていく。
前期は斜字体で表記。
▼佃・月島(0〜3%上昇 前期:0〜3%上昇)
(現況)前期と変化なし
当地区は銀座等の都心への優れた接近性を備えるとともに、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強い地区である。マンション購入資金の融資環境が良好であること等が下支えとなり、新築・中古マンション共に取得意欲は旺盛な状況が続いており、売買価格は高水準を維持している。建築費の高騰や、中央区において地区計画で従来認められていた共同住宅についての割増容積率を廃止する方向になっていること等の懸念から採算性の検証が厳格化しているものの、マンション市況は好調な状況が続いている。地区内外で再開発事業や東京五輪関連施設の建築計画が見られ、デベロッパーによるマンション開発素地需要は旺盛で取引価格は緩やかな上昇傾向となっているため、地価動向は当期やや上昇している。
(前期現況)
当地区は銀座等の都心への優れた接近性を備えるとともに、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強い地区である。新築・中古マンション共に価格は高水準を維持しており、マンション購入資金の融資環境が良好であること等が下支えとなり、マンション市況は好調である。建築費の高騰や、中央区において地区計画で従来認められていた共同住宅についての割増容積率を廃止する方向になっていること等の懸念があるものの、地区内外で再開発事業や東京五輪関連施設の建築計画が見られ、デベロッパーによるマンション素地需要は旺盛で取引価格は緩やかな上昇傾向となっているため、地価動向は当期やや上昇に転じている。
(今後)前期と変化なし
今後、地区内外で2年後にBRTのプレ運行が発表される等、都市基盤整備として環状2号線の建設工事やBRTによる利便性の向上が期待され、再開発事業や東京五輪関連施設の建築計画が進んでいる。こうした背景からマンション市況は好調を維持し、将来の地価動向はやや上昇すると予想される。
(前期の今後)
今後、地区内外で再開発事業や東京五輪関連施設の建築計画が進み、都市基盤整備として環状2号線の建設工事やBRTによる利便性の向上が期待され、こうした背景からマンション市況は好調を維持し、将来の地価動向はやや上昇すると予想される。
▼豊洲(0〜3%上昇、前期:横ばい)
(現況)変化あり。豊洲市場開場がプラス材料
当地区は強いマンション需要を反映して、新築マンション分譲価格の上昇が続いた時期があったもの
の、一次取得層の購入限度額に近づいて、現在は価格上昇の動きが一段落している。中古マンション市場においても需要者の購入意欲は底堅く、取引価格は安定している。一方、豊洲市場については、当初の移転スケジュールが延期され、その後も懸案事項とされていたが、本年10月11日に開場されることになっている。こうした周辺の拠点的施設の動向は、当地区のマンション市場にとって前向きな材料として捉えられており、マンション素地の供給が極めて少ない中、デベロッパー等の素地取得意欲がやや強まって、取引利回りは低下傾向で推移している。このような状況から、当地区の地価動向はやや上昇で推移した。
※注 新築、中古マンションとも取引価格は安定。この部分は前期と変化なし。
(前期現況)
東京五輪開催決定以降、他の湾岸エリアと同様に旺盛なマンション需要を反映して当地区の新築マンション分譲価格は上昇が続いたが、現在は安定的に推移している。また、中古マンション市場においても需要者の購入意欲は底堅く、取引価格は安定している。なお、豊洲市場については、開場日程の決定以降も観光拠点の整備をめぐり、都と運営事業者の協議が長引いたものの、マンション分譲価格下落等の目立った影響は認められていない。このような分譲マンション市場の状況から、デベロッパーの投資採算性が反映される当地区の地価動向は引き続き横ばいで推移した。
(今後)変化あり。豊洲市場開場がプラス材料
当地区は、利便性の高さから居住目的のマンション需要に支えられており、エリア内の買換え需要を中心に引き続き安定的に推移すると予測する。一方、ここ数年懸案事項とされていた豊洲市場が開場し、今後も市場関連施設が整備されていくことにより、エリア外からのマンション需要も期待できる。このような状況から、将来の地価動向はやや上昇と予想される。
(前期の今後)
当地区は、新築・中古マンションともに一次取得層の購入限度額に近づいており、将来的には取引件数の減少が予想され、今後更なる価格上昇は見込みづらい。一方、利便性の高さから居住目的の底堅いマンション需要に支えられており、将来の地価動向は横ばいと予想される。
▼有明(0〜3%上昇 前期:0〜3%上昇)
(現況)前期と変化なし
当地区におけるマンション価格上昇の動きは一段落しているものの、マンション需要は依然として堅調であり、成約価格水準は安定的に推移している。当地区を含め、湾岸エリアでは引き続き大型分譲マンションの大量供給が控えており、また高止まりしている建築費の動向は不透明であることから、デベロッパーの投資採算性検証は厳格化している。一方、当地区では地区計画によるまちづくりが進められ、国家戦略特区の認定を受けた大規模開発事業等が進捗中であるほか、五輪関連施設の工事も着々と進んでいる。さらには、環状2号線の開通や銀座と有明を結ぶ地下鉄構想による都心部へのアクセス性向上が見込まれており、将来発展・人口増加が大きく見込まれるエリアである。これらの要因から当地区の土地需要は依然として強く、地価動向はやや上昇傾向で推移している。
(前期現況)
東京五輪開催決定以降続いたマンション価格上昇の動きは一段落しているものの、当地区のマンション需要は依然として堅調であり、成約価格水準は安定的に推移している。湾岸エリアでは引き続き大型分譲マンションの大量供給が控え、また建築費の高止まり傾向は今後もしばらく続くことが見込まれているため、デベロッパーの投資採算性検証は厳格化している。一方、当地区では五輪関連施設や国家戦略特区の認定を受けた大規模開発事業、地区計画によるまちづくりが進捗中であり、また環状2号線の開通や銀座と有明を結ぶ地下鉄構想による都心部へのアクセス性向上に対する期待感等により、将来発展・人口増加が大きく見込まれるエリアである。したがって、当地区に対するデベロッパーの開発素地取得意欲は依然として強く、地価動向はやや上昇傾向で推移している。
(今後)前期と変化なし
将来は、分譲マンションの大量供給により価格の調整局面を迎える可能性があるが、マンション需要は今後も堅調に推移し、地価動向についてはやや上昇傾向が続くことが予想される。
(前期の今後)
分譲マンションの大量供給により価格の調整局面を迎える可能性があるが、上記の要因によりマンション需要は今後も堅調に推移し、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。
豊洲市場開場は豊洲地区に目に見えたプラスとなった。
ほかは変化なし。
そんな感じ。
(リンク)地価LOOKレポート
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