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【イスラエル対ハマス】どっちが悪い? オオカミ少佐の動画より

イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が数千人の死者を生む恐ろしい事態になっています。
どっちの言い分もあるのでしょうが、どっちが悪いのか、元海上自衛隊幹部というオオカミ少佐さんがいつものように解説してくださいました。
簡単にまとめようと思います。




時系列

2023年10月7日
イスラム組織ハマス
 パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスがイスラエル攻撃
 ロケット弾数千発を発射
 イスラエルに越境し、民間人数百人を殺害
 200人前後を人質としてガザ地区内に拘束

イスラエル
 ガザ地区に空爆などで応酬
 陸上戦力による侵攻が近い

ハマス

1987年、イスラム国家樹立を目的に組織された武装組織
軍事部門の旅団の1つは総勢2万人以上か
2006年、パレスチナ自治評議会で過半数獲得。PLO(パレスチナ解放機構)の主流「ファタハ」と連立政権発足
2007年連立政権崩壊、その際にガザ地区を武力制圧。現在に至る
2017年パレスチナ自治政府との和解協定に調印
・・・
日米欧、オーストラリアはテロ組織に指定
中露、エジプト、イラン、シリアはテロ組織とはみていない

国際法でみるとどうなるか

2つの国際法

1️⃣武力行使が適法かどうかを問う「jis ad bellum」
2️⃣武力行使にあたって守るべきルール「jus in bello」=武力紛争法

1️⃣武力行使が適法かどうかを問う「jis ad bellum」でみると

現在の国際法、国際秩序で許される武力行使は2つ

1️⃣自衛権行使
2️⃣国連による軍事的措置(国連憲章が定める国連軍が組織されたことはない)

先に仕掛けた方が違法になる

→ハマスは文句なしに違法
違法な武力行使に対し反撃を加えるのは自衛権行使。
自衛権行使は領域.国民、主権を守ること
国連軍の来援は期待できないので自国.同盟国の軍事力が侵略者を撃退芯開ければならない
→イスラエルの反撃、武力行使は国際法に照らして適法

2️⃣武力行使にあたって守るべきルール「jus in bello」

無用な被害をなくし、被害を極限するために必要。
戦争そのものが違法かどうかを問わず双方に適用される
・・・
交戦者とそうでない人を分ける必要がある。
攻撃が適法と判断されるには、戦闘に参加していない文民、民用物への巻き添え被害が許容範囲にあることが必要。
予期される具体的・直接的軍事的利益と巻き添え被害が過度でないと判断できれば適法。

簡単にまとめると無差別攻撃はアウト。
可能な限り区別する努力をし、故意ではない(巻き添え)攻撃ならセーフ。
その判断は攻撃側の主観による。


ハマスの行為

 イスラエル国民を戦闘員・文民の区別なく人道上の配慮なしに虐殺したテロ。1️⃣武力行使も違法だし、2️⃣「jus in bello」(武力紛争法)でも違法


イスラエルの行為

 1️⃣武力行使は適法だが、2️⃣「jus in bello」の観点から容認できないものがある

停戦すると?

自衛権の行使には時間制限がある(一時的な措置であること)
一度停戦をすると自衛権を口実にハマスに対して攻撃をすることができなくなる。
→イスラエルは停戦前に可能な限りハマスに打撃を与えておきたい
 召集した予備役は36万人。長期間は維持できない

ガザ北部の住民の非難呼びかけは

イスラエルにとって
 ポーズである側面が強いが、国際法がなければ取る必要がないもの
 国際法があるためガザ地区を更地にすることは不可能
・・・
いろいろ知らなかったことが腑に落ちるオオカミ少佐の動画でありました。


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②dorattara(~29年11月)
の続き。

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