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#430 東京都広域交通ネット計画、有力は7路線+都心直結線か ゆりかもめ延伸は脱落

平成27年7月10日に東京都が公表した「広域交通ネットワーク計画」。

 漏れ伝わってきた東京都の検討状況から、可能性はほぼゼロだと思っていた「中央区新線」(都心部・臨海地域地下鉄構想)の実現可能性を一気に高める内容になりました。

 この計画に盛り込まれた19路線のうち、東京都が本当に推す有力路線」は「中央区新線」を含む7路線程度(+都心直結線)勝手に思っていますので、メモしておきます。また、「ゆりかもめ延伸」のリスト落ちも注目ポイントです。


※東京都がどう評価しようと、国が唯一の新線調査予算を付け、(整備検討が)閣議決定までされている
都心直結線は、次期交通政策審議会の答申に盛り込まれる可能性が高いと思ってます。


(出典:国土交通省、赤は加筆)



 
▼検討対象路線

東京都が広域交通ネットワーク計画をまとめるにあたって検討対象としたのは37路線でした

 
(出典:東京都)



検討対象となる条件としては
①運輸政策審議会答申第18号(現答申)でA2路線(12路線)B路線(9路線)に位置づけられたもののすべて
②国や市区町村、鉄道事業者で検討されているもの(16路線
と「広域交通ネットワーク計画」の中に明記されています。


※検討対象37路線の段階で江東区の「湾岸ロープウェー構想」の姿はなく、次期交通政策審議会に東京都ルートで推薦される可能性はなくなりました。
 もともと根拠が不明確な10億刻みの建設コスト試算と大雑把なルート程度しか明らかになりませんでしたから「国や市区町村、鉄道事業者で検討」とはみなされなかったのかもしれません。
 あるいは「索道」は最初から「広域交通ネットワーク計画」の検討対象外なのかもしれません。そこのところは詳しくないので知りません。

 個人的には詳細な検討資料があれば、見てみたい気がします。



▼評価方法

東京都は3つの面から評価しています。

①収支採算性

開業後、累積資金収支が40年以内に黒字となるもの=A
それ以外=B

A=合格、B=不合格と言い換えることができます。
国の補助制度は30年以内の累積資金収支の黒字化が前提でしたね。40年の黒字化はそれより甘い基準になっていますから、これをクリアできないと話になりません。



②費用便益比(B/C)

検討対象路線の費用便益比(B/C)が1以上=A
それ以外=B

これもA=合格、B=不合格と言い換えることができます。
かけたコストより得られるベネフィットが小さいのでは、整備の意義付けは相当難しくなります。これもクリアできないと話になりません。



③目標への寄与度分析

 東京都が設定した19項目(1つの項目で2種類の評価をするケースがあるので満点は19点ではない)の目標をいくつクリアしたかという視点の評価です。


 ①②がいずれもA(=合格)でなければならない「足切り的な評価項目」で、③は優先順位を決めるための評価項目という感じがします。




 
(出典:東京都)




▼東京都の検討結果

次のような結果が示されています。

(出典:東京都) 


「整備について優先的に検討すべき」5路線
「整備について検討すべき」14路線

が示されました。



▼有力なのは7路線か

 細かく評価項目を見ると、①収支採算性と②費用便益比(B/C)がいずれもA評価だったのは、37路線中、わずか9路線でした。



(出典:東京都、原図を一部加工)



その上で③「目標への寄与度分析」の評価を順番にならべると、

1位 20点 JR東日本羽田アクセス線
2位 17点 東京8号線延伸(豊洲~住吉)
3位 13点 都心部・品川地下鉄構想
4位 12点 東京12号延伸(光が丘~大泉学園前)
4位 12点 多摩都市モノレール延伸(町田方面)
4位 12点 都心部・臨海地域地下鉄構想
7位 11点 多摩都市モノレール延伸(箱根ケ崎方面)

↓↓↓ 以下、③がB評価(10点以下)↓↓↓ 

8位 10点 新空港線「蒲蒲線」
9位 9点 ゆりかもめ延伸=リスト落ち


となりました。


東京都は優先的に整備すべき5路線と、
整備すべき14路線を検討結果として示していますが、
得点上位7路線を見ると、優先整備の5路線+新規追加の2路線
「中央区新線」と「品川~都心線」となっています。


東京都の推す「有力路線」は上位7路線に絞られたといってもいいかもしれません。③がB評価の2路線のうち「ゆりかもめ延伸」はリストに残らず完全に脱落「蒲蒲線」は可能性は残したものの苦しい立場です。

    


(おまけ)複数路線の同時整備についての評価

今回の「検討のまとめ」では、各路線個別の評価とは別に、複数路線同時整備に関する評価も行われました。


①空港アクセス関連

対象となったのは
・新空港線「蒲蒲線」・JR東日本羽田アクセス新線・都心直結線
の3路線です。

 
(出典:東京都)



・JR羽田アクセス線と蒲蒲線の同時整備は、蒲蒲線の収支採算性に課題
・JR羽田アクセス線と都心直結線の同時整備は、両路線の収支採算性に課題

ということで、どれか1本という結論になりそうです。


順位としては、①JR羽田アクセス線②都心直結線③蒲蒲線という感じでしょうか。
また、都心直結線に競合する路線は認められない可能性もあります。いずれにしても蒲蒲線は苦しい立場に置かれています。




②東京臨海地域の交通需要に対応する路線

対象となったのは
・東京8号線延伸(豊洲~住吉)・ゆりかもめ延伸(豊洲~勝どき)・JR羽田アクセス線・臨海地域地下鉄構想(中央区新線)

の4路線でした。



 
(出典:東京都)



・ゆりかもめと中央区新線の同時整備ではゆりかもめの収支採算性に課題。
・東京8号線延伸とJR羽田アクセス線については、中央区新線と競合しない。

ということで、ゆりかもめ延伸」のみが脱落、ということになりました。


     


ただし、どれを優先整備するか決めるのは、東京都ではありませんので、その点は注意が必要でしょう。また、国土交通省の小委員会は空港アクセス新線に否定的ですから、東京都評価で最高得点のJR羽田アクセス線でも大きな不安が残ります。今月中には、国土交通省での審議が始まるようですし、大きな期待を持って見守りたいと思います。




(参考URL)
 広域交通ネットワーク計画について 交通政策審議会答申にむけた検討のまとめ (東京都)
 都心部と臨海部を結ぶ地下鉄新線の整備に向けた検討調査 報告書 (中央区)


(関連エントリ)

 #429 都心~臨海部、都心~品川の地下鉄新線を国に提案へ 東京都


 #411更新① 「中央区新線」の概略について③ 「意義付け」
 #410 「中央区新線」の概略について② 「概略建設計画」「収支採算性」
 #409 「中央区新線」の概略について① 「検討対象区域」の現状
 #407更新② 中央区「地下鉄新線」の提案概要について
 #300 中央区の地下鉄新線構想は日比谷線延伸案が有力か 聴取範囲などから推定(一部追記)


 #342 東京都イチ推しグループに「東京8号線延伸」 ゆりかもめ延伸は脱落
 #341更新① 空港新線に厳しい内容 「東京圏の今後の鉄道のあり方」中間整理 国交省小委員会

 シリーズ 中央区新線

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