#656 200年に1回の大雨で荒川が破堤したシミュレーション 中央区に浸水域到達のケースも
- 2016/03/22
- 03:00
平成27年9月に発生した茨城県常総市の鬼怒川の堤防決壊は衝撃的でした。中央区を始め、各区で洪水ハザードマップが公表されていますが、大きな影響が中央区に及ぶようなケースは、どんな場合なのかメモしておきます。
今回利用したのは、国土交通省関東地方整備局の作成した浸水想定区域図で、荒川流域の3日間の総雨量が548ミリ(200年に1度)という大雨が降り、荒川の堤防が破堤した場合に想定される浸水状況をシミュレーションしたものです。
シミュレーションで破堤を想定したのは荒川の右岸、左岸それぞれ5カ所の合わせて10カ所です。上図の赤い印の部分になります。
結論から書くと、中央区に浸水域が届くのは北区赤羽の新荒川大橋付近で右岸が破堤した場合のみでした。
▼中央区に被害が及ぶケース=北区赤羽の新荒川大橋付近の右岸で破堤した場合
水深
■ 50センチ未満
■ ~1メートル未満
■ ~2メートル未満
■ ~5メートル未満
■ ~5メートル以上
破堤から1時間=隅田川を超え、水の先端は王子神谷に達します。
(出典:国土交通省関東地方整備局)
破堤から3時間=水の先端は首都高速中央環状線を超えて日暮里舎人ライナーに達します。
(出典:国土交通省関東地方整備局)
破堤から6時間=隅田川の都心寄りを進み、南千住が浸水エリアとなります。
(出典:国土交通省関東地方整備局)
破堤から12時間=先端は両国~秋葉原のラインに届きます。
(出典:国土交通省関東地方整備局)
破堤から24時間=銀座や京橋の一部と、中央区島部をのぞいて浸水地域となります。この辺りが最大到達点となります。
(出典:国土交通省関東地方整備局)
こうなると、どこが安全だというレベルの話ではなくなりますね。
それこそ、国家存亡の危機になるのではないでしょうか。
(参考URL)
「浸水予想区域図」(東京都建設局)
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