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#517 「各駅停車」の中央区と「快速」の東京都 東京都BRTの運行イメージ②

 東京都の「臨海地域と都心部を結ぶ東京都BRT」(以下「東京都BRT」)と「中央区基幹的交通システム構想」の中で検討されていたBRT(「中央区BRT」)の違いについて考えていたことをメモしておきます。

本エントリは「仮説」のカテゴリーです。


▼前提:運転間隔3分未満で輸送効率低下

 

(出典:中央区基幹的交通システム部会資料)


 中央区基幹的交通システム部会では、上のようなことが示されていました。
断面運転間隔が3分以下の場合には、ピーク時の交通混雑や停留所での乗降時間により、団子運転が発生するなど、定時性・速達性の観点からも非常に厳しくなる

 
 既存バスにはない定時性、速達性を重視するBRTですから、この条件は運行ダイヤの編成上、かなり重要になると思います。

 その上で、中央区BRTと東京都BRTの違いを見てみます。



▼中央区BRTは「各駅停車」、東京都BRTは「快速」

 両者を比較した場合、中央区BRTと東京都BRTには大きな考え方の違いがあると思いました。簡単に書くと、中央区BRTは「各駅停車」東京都BRTは「快速」です。


▽中央区の考え方

 中央区BRTは基本的な発想が「中央区臨海部や銀座の一部など、区内の公共交通不便地域の解消を目指す」というものでした。したがって、ルートは1本。7つ(+2)のステーションを公共交通不便地域のルート上に配置するという内容になっていました。


(出典:中央区基幹的交通システム部会資料)


 BRTの特徴である定時性と速達性のうち、速達性を多少犠牲にしても、公共交通不便地域の解消を目指した形です。



 中央区の基幹的交通システム構想は連節車両導入が前提でしたから、運行頻度の上限を3分とすると、単純計算ではピーク時、130人乗りの連節バスが1時間20便程度で、1時間あたりの輸送人員数の上限は2600人程度(130人×20便)になります。

部会資料ではピーク時1時間の利用想定が3種類示されていました。
 ①ピーク率10% 運転間隔6・7分、約1100人/時
 ②ピーク率15% 運転間隔4.3~4.6分、約1700人/時
 ③ピーク率20% 運転間隔3・3分、約2300~2400人/時

※ピーク率というのはおそらく、ピーク時間の交通量が、1日の運行時間中の全交通量に占める割合と思われます。③の場合、ピーク時間に1日の利用者の2割が集中する状態ということになります(多分・・・)。



▽東京都の考え方

一方、東京都BRTはどうでしょうか。


(出典:東京都)=再掲



 東京都の基本計画で示されているのは、ピーク時に1時間に4400人+α程度の輸送能力でした。


(中の人作成)=再掲



 中間ステーション省略の「勝どき・選手村シャトル」を導入するわけですから、「中央区BRT」よりずっと速達性重視と言える構成だと思います。考え方としては「拠点間をできるだけ短時間で結ぶ」という発想に思えます。


 ルートを4つに分散しましたから、各ルート運転間隔3分程度まで可能となります。

 単純計算では、幹線とシャトルルート(130人乗り連節車両想定)は各2600人/時、晴海フィーダー(75人乗り単車車両想定)は1500人/時ぐらいが上限になります。

 これらを合わせると輸送人員の上限は9300人/時程度となります。

 ただし、4ルート全てが停車する見通しの新橋ステーションの処理能力が上限になります。処理能力は1バースなら1時間あたり20便、2バースなら40便程度となります

 130人乗りの連節バスだけでBRTのダイヤを組んだ場合、どうなるのか適当につくったものを再掲します。4ルートのピーク時間帯が重なった場合の、新橋下り線の出発時間のイメージです。出発時刻が重ならないようにするとこんな感じになります。2バースに分けた場合を考えてみました。


(中の人作成)=再掲

 一応、2バースあれば1時間に34便便程度におさまります。

ただ、晴海フィーダーは75人乗りの単車が使われるでしょうから、連節車輌に比べて1時間当たりプラス5便の11便必要になる計算です。

新橋ステーション2バースでピーク時39便の使用となりますから、上限ギリギリです。





「最大4400人/時(+α)程度」の意味

 東京都BRTの最大輸送力について「最大4400人/時(+α)程度」となっている意味について考えてみました。

 
中の人が思いついたのは、すでに書いたように、400人というのは全ルートで停車する新橋ステーションの処理能力の上限ではないか、ということです。

 そして「+α」の意味は、新橋ステーションを通過するBRTの運行パターンを設ける分のことではないかということです。


 例えば幹線:国際展示場~豊洲新市場~新橋通過~虎ノ門BT、あるいは国際展示場~豊洲新市場~新橋通過~八重洲口BTという感じです。

 これなら新橋ステーションの処理能力の上限をそのままに、運行本数を増やせる可能性があります。

 路線別では「+α」とあるのは、幹線に限られている点も注目です。新橋ステーション通過は幹線のみを想定ということではないでしょうか。





(おまけ)BRT月島ルートについて考える

 BRTの一部ルートを環状2号から外して国際展示場から月島経由で東京駅を結んだらどうかという考え方もあるようです。この場合、ルートとしては中央大橋経由、佃大橋経由が想定されますが、中の人は今の所、いずれも否定的な考え方です。

 月島ルートを設けても便利にならないだろうというのが理由です。

 収支が厳しい状況にある都営バスとの競合による路線廃止(便数減少)リスクや、ステーションの追加による速達性低下、信号が多すぎてPTPS導入が効果的ではなさそうなことなど、幾つかの理由が考えられます。


 そういえば、「#27 公共交通をデザインする(平成26年2月)」の中に、こんな趣旨のことを書きました。


 公共交通のネットワークデザインの重要な点は・・・
①ラインと運行資源を高品質ルートに集中させる
②省略
③ライン数はできるだけ少なく、ライン長は長くする



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プロフィール

どら

Author:どら
①どらったら!(平成26年〜28年秋)
②dorattara(~29年11月)
の続き。

中央区とその周辺に関するメモ。

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