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#528 東京湾内湾の津波を考える③ まとめ 「すでに最大想定の津波は経験済み!?」

 「東京湾内湾の津波を考える」の3回目はまとめになります。東京都議会の「勉強会での話」を中の人が要約したものですが、解釈が入るのを避ける為、極力余計な説明は加えていません。

「勉強会」の性質から、東京都臨海部が対象範囲と考えられます。

また、中の人の考えではなく、専門家の話の要約です。
ご注意下さい。



▼まとめ
 最後にまとめると結論として、東京湾での最大の津波の高さは元禄関東地震によるTP+2・6m満潮時の水位、地震による海岸の沈降を考慮)。


 東京湾の防潮堤は高潮対策からTP+3・5mで、現況の防潮堤を超えるような津波が来ることはないと考える。

(出典:東京都港湾局)=高さの表記がAP(=TP-1・134m)になっていることと「高潮の高さ>津波の高さ」に注目です。



 高潮は最大2・5m程度が想定され、高潮と津波が同時に来るということも理論的には考えられる。確率は非常に低い、極めて低いと思うが満潮時に高潮が来て、さらに津波が来るということも理論的には考えられる。これは考慮しておらず、この場合は津波がさらに高くなることは考えられる。
 

 防災対策を講じる上では、起こり得るリスクというのを科学的根拠に基づいて分析することが重要。想定する地震も、単に仮定に仮定を重ねて大きいモデルをつくればよいというものではない。

 過去の記録などを分析して、現実に起こり得るものを想定すべきだと思っている。
 今回の東京都で設定したモデルは、最新の科学的知見に基づいて、過去に起きた相模トラフの巨大地震を科学的に分析して作成。現実に起こり得る最大クラスの津波を想定したもの。



▼その他
①コンテナ埠頭は浸水しない(地盤の高さを確保)
 東京湾の沿岸部には、品川ふ頭、大井コンテナふ頭などの、コンテナふ頭などが存在し、地盤高がTP+5・2から8・1m程度。想定される津波高、最大TP+2・6mでそれを大幅に上回り、コンテナふ頭では浸水は生じない。

 その他の堤外地は、河川敷などを除き、津波高と地盤高を比べると地盤高の方が高く、大きな浸水は生じない。河川敷は一部浸水が生じる。河川敷は避難するということが重要。幸い、東京都の場合には、地震が発生してから津波が来るまでに十分な時間
 適切な避難をすることによって被害を避けることができる。



②東京湾内に入った津波の増幅可能性

 東京湾の場合には、入り口のところに大きながけがあって、そもそも中に入ってきにくいという、東京湾に入る前にエネルギーが反射してしまって中に入ってこない。ただ、それでも全く入ってこないわけではなく一部には津波が入る。

 そのようにして湾の中に入ってきた津波は、確かに反射を繰り返す。ただ、東京湾は非常に浅い。海底が浅い場合は、海底の摩擦というのが非常に大きく、海底の摩擦によって津波のエネルギーが結構早く減衰する。

 湾の中に入ってきた津波は、反射を繰り返して増幅するということはあり得ない、むしろ海底摩擦で減衰するということが物理的には予測される。


(中の人作成)=再掲



③堤防が破損するのは津波が堤防を大幅に超える場合

 東京都はゼロm地帯があるので、堤防に依存しているというのは事実。堤防が万一破損した場合には、そこは津波によって浸水する。津波がなくても満潮時には浸水する場所。津波が堤防を大幅に超える場合には、東日本大震災のときにも大きな津波によって堤防が破損。ただ、東日本大震災の場合でも、地震波、地震の揺れ、あるいは堤防より小さい津波、堤防より低い津波によって破損したという例は全く聞いてない。想定される津波の高さが堤防より低い分においては、堤防の破損ということは、ほぼ考えなくてよろしい。



④相模トラフの地震の津波増幅は考え難い

 四国に注目すると、まず東海、東南海。東海地方で地震が発生、その津波がずっと伝わってきて四国の前まで来る。そのときに四国の沖で地震が発生することが起きると、2つの地震による津波が同時に来るので津波が非常に大きくなる。それが時間差発生。

 南海トラフの場合は、非常に長くて700㎞ぐらいの中で、それぞれが100㎞から200㎞ぐらいの地震が幾つか、時間差を置いて発生した場合には、そのようなこと(中の人補足:時間差による増幅)が考えられる。

 相模トラフは、地震が発生するところの長さが全体で100㎞から200㎞ぐらいしかなく、それが次々に起きるということはあり得ない。南海トラフのような時間差による津波、あるいはその増幅ということは考えにくい。


要約はここまで。


 * * * * *


 中の人は想定される最大津波高TP+2・6mという数字は知っていましたが、これに満潮分の1・1mが乗っかるものと思っていました。

 「東京湾内湾の津波を考える②」を見ると、「ここで想定されている津波の高さというのは、満潮と重なった場合の津波の高さ。干潮時の津波の高さというのは、これから約2m低くなる」と明記されていますので、満潮のかさ上げ分が含まれる数字になります。



(出典:東京都)=赤枠は追加


 よく見ると東京の津波想定の図にも「津波高は満潮時の値。地盤沈下を含む」とありました。


 実質津波分に満潮分の1・1mを加えて2・6mということは、実質の津波分は1・5mとなります。

 
観測史上最大クラスの地震だった東日本大震災の時に晴海検潮所で観測した(TP+1・5m)とほぼ一致しますから、実はすでに最大クラスの津波は経験済み、ということになるのでしょうか。




 専門家というのは、東京大学地震研究所の佐竹教授(当時)です。


誤解してはならないのは、津波は数十センチであっても、人の命を容易に奪ってしまうものだという点です。

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