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#809 「施設間で客室窓が相対」有識者委員会が多数指摘 住友不グループの羽田空港ホテル計画

先のエントリ「#781 羽田空港第2ゾーンにヴィラフォンテーヌ?」で羽田国際空港第2ゾーンの跡地整備で民間事業者が決まったということを書きましたが、プロジェクトの内容が明らかになりましたのでメモしておきます。

 

 ただ、このプロジェクト、有識者委員会でかなりひどく突っ込まれていて、高い貸付料のおかげで勝ち取ったプロジェクトという印象をより強く受けました。指摘事項、なんとかしてほしいものです。

 

 

指摘事項の中では「宿泊施設間で客室窓側が相対する配置計画」というのがインパクトありましたね。

 

 

 

(出典:国土交通省)

 

 

 

 

 

 

▼落選した2社の提案概要

 

 提案に参加したのは3社でした。落選した2つのグループの提案内容を見ていきます。

(出典:国土交通省)

 

 

 

①日本空港ビル・京急・三菱地所・大成グループ

・全体の施設配置は3つの宿泊施設1024室、1000名収容可能なバンケットルームなどを含む複合業務施設、商業施設がバランス良く配置

・景観、動線計画は全体に緑が多い。利用者に配慮した車両、歩行者動線。

・施設利用者に提供されるサービスについては、訪日客、バリアフリーの点から様々な優れた提案。

・運営計画はコンソーシアム構成員が多く、一体的運営が十分にできない可能性

・開業は2020年6月

 

(その他)

・大規模な屋上庭園

・日本らしい手法「かすみ」を使った景観上の工夫

・外国人向けの手ぶら観光サービス

・ヘルスケアモール

・整備するバス乗り場を国際線旅客ターミナルのバス乗り場と一体運用

・VIP対応可能な船着場待合室

・燃料電池シャトルバス運行、第1ゾーンとの連携など周辺地域との連携に優れる

・水素ステーション設置提案

・富士山噴火の降灰対策まで(!)

 

 

②GROBAL WINGS 羽田チーム

・全体の施設配置は4つの宿泊施設960室、民間企業本社、250名収容可能なバンケットルームを含む複合業務施設など多様。

・オフィスは事業安定性に寄与するが、国際旅客等の利便性確保を図る視点では施設配置に十分な配慮が見受けられず

・景観、動線計画は、宿泊施設への歩行者動線の一部に段差。屋根がない通路を通行する計画で、移動時の快適性という点から配慮は不十分

・施設利用者へのサービスはレンタカーステーション設置など多様

・開業は2020年4月までに宿泊施設、2021年1月までに全施設

 

(その他)

・民間企業本社誘致で従業員が鉄道アクセスすると、通勤ピーク時の国際線旅客ターミナルの混雑で航空旅客に影響を与える可能性

・トラベルカウンターを併設した大型書店、深夜早朝便対応飲食店

・400台分のレンタカーステーション

・ホテルでの国際線出発便の手荷物預入機能導入

・ユニバーサルデザインでは高齢者に配慮した休憩施設を施設のメイン動線に配置し、大型エレベーターを導入するなど具体的

・省エネルギーに関しては最先端技術が考慮されている。

・宿泊施設竣工は2020年1月。開業まで3カ月と十分な期間。

 

 

 

 

 提案内容だけを見ると、三菱グループがトップだったというのがうなづけます。

 

 

 

 

▼採用された「住友不動産・東京国際空港プロジェクトチーム」の提案

 

(出典:国土交通省)

 

 

 

(配置図)

 

 

 

(施設概要)

(出典:国土交通省)

 

 

※ラグジュアリーホテルのブランドは外資系を想定しているようです。

 

 

 

 

▼有識者委員会の「ダメ出し」

 

 このプロジェクト、さらなる工夫や提案が必要と、かなりの指摘がありました。

 

有識者委員会の指摘内容を資料より列挙します。

 

 

 

○施設計画について

 

・建築物の外観については、示されたパースから判断する限り、施設外観は単調で、高品質な宿泊施設にふさわしい外観としての配慮が十分に見られず、また、全体的に圧迫感を受ける可能性がある。このため、外観設計にあたっては、例えば、高い品質を印象付ける質感のある外観形状や素材を採用する、また圧迫感低減のために壁面緑化や色彩により分節化を図るなど、更なる検討、工夫が必要である。

 

 

 

・宿泊施設規模に対して、飲食及び物販の施設規模(1,704の客室数に対して、示された提案ではそれぞれ2,134m2、2,087m2)は必ずしも大規模なものでなく、ピーク時における宿泊客及びその他の利用者への対応において、混雑の発生が懸念されるなど、適切にサービスを提供できない可能性がある。このため、多様な利用者に対しても利便性と快適性の向上を図るため、飲食・物販のサービス提供方法については、サービス提供に係る待ち時間の短縮を図ることや、利用者に不足なく物品が提供できるようにするなど、更なる検討、工夫が必要である。

 

 

 

国際線旅客ターミナルからバスステーションまでの歩行動線については、距離(示された提案では約380m)があるが、案内表示等の歩行者に対する配慮が十分に読み取れなかった。このため、当該動線については、利用者が道に迷わないように分かりやすい案内表示を行う観点から、更なる検討、工夫が必要である。

 

 

 

・敷地内において車両動線と歩行者動線が平面において交差する箇所があるが、交差箇所を横断する歩行者に対する安全性確保への配慮が十分に読み取れなかった。このため、当該交差22箇所の歩行者動線については、歩行者が車両と接触する等の危険が及ばないようにする観点から、更なる検討、工夫が必要である。

 

 

 

敷地出入口周辺の車両通路については、提案書の図面から判断する限り通路幅が狭く、バス等の大型車両の運行がスムーズに行われない可能性がある。このため、当該車両通路の設計にあたっては、バス等の大型車両が通路上をスムーズかつ安全に走行可能となるよう、更なる検討、工夫が必要である。

 

 

 

・宿泊施設が複数立地するため、箇所によっては宿泊施設間で客室窓側が相対する配置計画となっており、相互の客室の利用者に対しプライバシーや視線に係る配慮が十分に読み取れなかった。このため、宿泊施設の窓や内装設計にあたっては、宿泊施設の利用者のプライバシーが保たれ、対面の部屋からの視線を気にすることなく過ごすことが可能となるよう、更なる検討、工夫が必要である。

 

 

 

・有識者等からなるユニバーサルデザイン検討会の設置に係る方針は示されているが、本提案においては、例えば国際線旅客ターミナルと第2ゾーンのアクセス通路において段差(示された提案では約3m)があり、エレベーター等の設置との記載はあるものの車椅子等の利用者が移動しやすい空間形成を行う点では、配慮が十分に読み取れなかった。このため、当該検討会の開催にあたっては、アクセス通路における車椅子等の利用者が移動しやすい空間形成への配慮を十分に行うなど、ユニバーサルデザインについて、更なる検討、工夫が必要である。

 

 

○2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までの計画について

施設開業までの準備期間が実質1ヶ月間と短く、運営開始時に適切なサービスを提供できるようにするための方策について具体的な記述が少ない。このため、従業員の訓練等の準備計画については、施設開業までに適切なサービスが提供できるように、更なる検討、工夫が必要である。

 

 

 

 * * * * *

 

 

 決まったことですけど、突っ込まれすぎな気がしますね。

 三菱・大成グループの提案内容を細かく見てみたい気がします。

 

 

(参考URL)

  東京国際空港(羽田空港)跡地第2ゾーンの開発に係る民間事業者選定に関する審査講評及び選定事業者の提案概要の公表

 

 

 

(関連エントリ)

 #781 羽田空港第2ゾーンにヴィラフォンテーヌ? 開発者選定で住友チームが三菱チームに勝利

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