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#932 江東5区大規模水害避難等対応方針をみる① 想定は最悪ルート伊勢湾級台風の「高潮+洪水」

 平成28年8月、荒川流域の「江東5区」(江東区、足立区、葛飾区、墨田区、江戸川区)が、78ページからなる「江東5区大規模水害避難等対策方針」という大規模水害に対する避難方針をまとめました。

 

 

 

 伊勢湾台風クラス(中心気圧930ヘクトパスカル)が高潮を発生させる最悪のコース(南海上から東京湾の西側を北上)で進んだ場合を想定したものです。

 

(出典:墨田区)

 

 

 かなり重い内容を含んでいますので、順を追ってみていきます。

 

 

 

 

▼「江東5区大規模水害避難等対応方針」の位置づけ

 

 東京都東部低地で大規模水害が発生した場合に、犠牲者ゼロを達成するのを目標に対象地域が広域避難を主とした避難対応を実施するための対応方針をまとめたもの。

 

 

 

 

▼江東5区の水害特性

①荒川、隅田川など大河川と支流が流れ、ほぼ全域が浸水想定区域

 

②臨海部のゼロメートル地帯に位置。東京湾の高潮で海岸・河川の堤防決壊すると広域で深刻な被害の恐れ。自然排水が望めないため、排水施設が機能しないと、最悪で2週間以上の湛水継続も

(出典:墨田区)

 

 

▼想定する大規模水害

 広域避難の段取りなど、災害対応を考えるには想定災害を設定しなければなりません。そこで、対応を考える「災害」について、以下のようなものを想定していました。

 

 

・東京湾への伊勢湾台風クラス(930ヘクトパスカル)以上の台風襲来、高潮で荒川両岸の広範囲での浸水被害(想定)。

 

(出典:墨田区)

 

 

 

・洪水と高潮が同時期に発生することで、荒川両岸を含む複数個所で決壊。最終的に江東5区のほぼ全域が水没(あくまで想定です)=中央区もほぼ全域で浸水

(出典:墨田区)

 

 

 

・浸水地域内人口250万人、うち44万人は自宅がすべて水没。自宅外への避難が必要になる(あくまで想定です)

 

(出典:墨田区)

 

 

 

▼その他

「対応方針」の中では、垂直避難を「浸水域内の避難所や自宅、その他の避難先にとどまること」とし、江東5区以外に避難する「広域避難」と分類しています。

 

・江東5区内の避難所規模は49万人。自宅が水没する人+家屋流失のおそれのある人+要配慮者の避難を考えると、全員は収容できない。

 

 

・氾濫した水は最悪2週間以上湛水する可能性。集合住宅の高層階などに「垂直避難」した人はライフラインが途絶した過酷な状況での長期滞在を強いられる

 

 

仮に浸水域内人口の半数の100万人規模の垂直避難者が出た場合、関東の警察、消防、自衛隊の保有するボートを総動員しても救出に2週間以上を要する

 

 

以上のことから、”対応方針”では

江東5区内での垂直避難を軸とした対応では人的被害の発生は防げない犠牲者ゼロの達成には浸水域外となる区外への広域避難を基本とした対応が求められる」と結論づけました。

 

 

  * * * * *

 

 それでは対応をどうするのか。長くなりましたので対応は次の回に。

 

(参考URL)

 江東5区大規模水害避難等対応方針 (墨田区)

 

(関連エントリ)

 #932 江東5区大規模水害避難等対応方針をみる① 想定は最悪ルート伊勢湾級台風の「高潮+洪水」

  #934 江東5区大規模水害避難等対応方針② 「安全な間に浸水想定域全区民の広域避難」が理想

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