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#934 江東5区大規模水害避難等対応方針② 「安全な間に浸水想定域全区民の広域避難」が理想

平成28年8月、荒川流域の「江東5区」(江東区、足立区、葛飾区、墨田区、江戸川区)が、78ページからなる「江東5区大規模水害避難等対策方針」という大規模水害に対する避難方針をまとめました。

 

 伊勢湾台風クラス(中心気圧930ヘクトパスカル)が高潮を発生させる最悪のコース(南海上から東京湾の西側を北上)で進んだ場合を想定したものです。

 

 

2回目は対応方針について追っていきます。

 

(1回目「想定災害」はこちら)

#932 江東5区大規模水害避難等対応方針をみる① 想定は最悪ルート伊勢湾級台風の「高潮+洪水」

 

 

▼大規模水害時の避難対応について

 

 

 資料を見ると、避難対応は概ね3日前(72時間前)からスタートするようです。

 

 

次のような表が示されました。

(出典:墨田区)

 

 

 発災72時間前から8時間前までに江東5区から非浸水域に「広域避難」し、浸水域に留まる人をできる限り減らすのが基本になっています。鉄道の運休が想定される6時間前からは自宅待機、(浸水想定域や要配慮者は避難所避難含む)というのが基本になっているようです。

 

 また、自家用車による避難が増えそうで、橋などで深刻な渋滞が予想されることも指摘していました。

 

 

広域避難先のイメージです。

 

 

 

▼垂直避難の考え方

 「対応方針」の中では、垂直避難を「浸水域内の避難所や自宅、その他の避難先にとどまること」とし、江東5区以外に避難する「広域避難」と分類しています。

 

 

 仮に半数の人が広域避難しても100万人規模の垂直避難者が発生することから、行政が全ての垂直避難者を賄うだけの物資を備蓄しておくことは現実的ではなく、必要な物資は避難者自身が自分で備蓄・確保することを基本だとしています。

 

 

 

 さらに垂直避難者の規模を踏まえると「外部からの救援物資も配給に長時間を要することが想定され期待することはできない」と警告し、浸水域内での滞在に向けた物資は避難者自身の自己備蓄に頼らざるをえないと指摘しました。

 

 

 

 垂直避難について「長期に当たる籠城生活」と表現、犠牲者の発生を防ぐために体力の少ない子供やよう配慮者を優先して救出することが求められるとも書かれていました。体力のある人は、台風が去ってから自力で脱出できるようにすべきだとしています。

 

 

 

▼避難対応の理想像

 

「発災前の安全な段階において、浸水が想定される区域に居住する全ての区民が非浸水域に広域避難することによって犠牲者ゼロが達成される」こと

 

 としました。

 

 * * * * *

 

 

 あくまで、避難対応を検討するために、最悪を想定したものですが、自治体が発表した広域避難の機会(台風襲来8時間前ぐらいまで?)を逃し、垂直避難者となると場合によっては相当過酷な状況となりそうです。

 

 垂直避難の場合は、外部からの物資補給が相当期間絶たれる恐れがあり、すべて自己備蓄で対応する覚悟が必要そうです。

 

 そういったことがないことを信じますが、可能性が出てきた場合には自治体からの連絡に注意する必要がありそうです。

 

 

 本エントリではうまくまとめきれていませんので、行政サイドでの啓発に期待したいと思います。

 

 

 

 

(参考URL)

 江東5区大規模水害避難等対応方針 (墨田区)

 

(関連エントリ)

 #932 江東5区大規模水害避難等対応方針をみる① 想定は最悪ルート伊勢湾級台風の「高潮+洪水」

  #934 江東5区大規模水害避難等対応方針② 「安全な間に浸水想定域全区民の広域避難」が理想

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