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#69 佃・月島は「下落」示唆 湾岸の失速感より明瞭に 地価LOOKレポート

平成28年11月25日、3カ月ごとに発表される主要都市の高度利用地地価動向報告=地価LOOKレポートが発表された(H28.7.1~H28.10.1)

主要都市の地価は82%の地区で上昇基調~平成28年第3四半期の地価LOOKレポートの結果~(国土交通省)



不動産鑑定士が全国100地区についての不動産市場の動向に関する情報を集めて地価動向を調べ、国土交通省でまとめたもの。
 
東京圏の上昇は43地点中33地点(前回比6地点減少)、横ばいは10地点(前回比6地点増加)。下落地点は前回と変わらず1地点なし。
   
名称未設定
(出典:国土交通省)
 

第3四半期 
名称未設定
 (地価LOOKレポート、東京圏分)=図表をトリミング
 
 
今回のレポートには大きな変化があった。
東京湾岸の3つの区域(佃・月島/豊洲/有明)のうち、佃・月島地区と豊洲地区で横ばいに。さらに、今後の経済情勢によっては「下落」の可能性があることが示された。
 
一方、有明地区では懸念要素はあるものの、将来の開発期待から注目度は高く、価格上昇傾向が維持された
 
以下、抜粋。
▼佃・月島
東京都区部 中央区 住宅 佃・月島=今期0%横ばい(前期0~3%上昇)
 
(地価動向)
当地区は、銀座を中心とする都心への接近性を備える一方、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強い地区である。高グレードのタワーマンションが相次いで供給され、マンション市況は好調に推移してきたが、建築工事費の上昇等を要因とした分譲価格の高騰や国内外の経済情勢の不透明感等を背景に資産保有目的の富裕層による需要が減退している。また、中古マンションは新築への住み替えによる売物件が増加傾向にある。マンション素地については、建築費の高止まりによりデベロッパーによる採算性の検証が厳格化し、取得意欲はあるものの選別化が進んでいる。こうした背景から当期の取引価格は横ばいの安定化傾向となって地価動向は横ばいに転じた。
 
 
(将来の地価動向)
地区内外で再開発や東京五輪関連施設の建築計画があり、都市基盤整備として環状2号線の建築が進んでいるものの、開業時期については現段階で見通しが立っていない状況にある。こうした再開発事業等の効果は既にある程度先行して地価やマンション分譲価格に織り込まれていると考えられる。中古マンションの在庫は増えつつあり、今後マンション需要が反転増加に転じる要因は見当たらず、供給過剰感が生まれつつある現状ではマンション市況は概ね横ばい、経済情勢次第ではやや下落する可能性もある。マンション素地については建築費の高止まりによりデベロッパーによるより厳格な選別化が進むものと見込まれる。こうした背景から引き続き将来の地価動向は横ばいと予想される。
 
 
▼豊洲
東京都区部 江東区 住宅 豊洲=今期0%横ばい(前期0~3%上昇)
 
(地価動向)
東京五輪開催決定以降、当地区は強いマンション需要を反映して、新築マンション分譲価格の上昇が続いたが、一次取得層による購入限度額に近づいており、足元では価格上昇の動きが一段落している。また、中古マンション取引においては需要者の購入意欲は底堅く、新築時の分譲価格と同程度の水準での取引も多く見られるが、価格を調整して成約に至る取引も目立っている。なお、豊洲市場の移転延期の決定に関しては、当地区のマンション需要を減退させるものではなく、マンション分譲価格への影響は認められない。このような状況から、デベロッパーの投資採算性が反映される当地区の地価動向は横ばいに転じた。
 
 
(将来の地価動向)
当地区では、新築・中古ともに住戸の大量供給が続いたため、将来的には、取引件数の減少が予想され、また、豊洲市場のオープン延期に伴って環状2号線の開通が不透明となったことに関しては、現時点でマンション市場への目立った影響は認められないが、今後、インフラ整備による利便性向上を期待してマンションや素地を取得した者による売却の動きが出てくることも考えられる。一方、都心に近い当地区は、居住目的を中心としたマンション需要が底堅いため、マンション分譲価格等の安定的な動向を背景に、当地区における将来の地価動向は横ばいと予想される。
 
 
▼有明
東京都区部 江東区 住宅 有明=今期0~3%上昇(前期0~3%上昇)
(地価動向)
湾岸部のマンション市場は、東京五輪の開催決定以降極めて好調であったが、販売価格の上昇や売出物件の増加、経済情勢の不透明感等の懸念材料から、ピークアウトとの見方が強まっている。当地区においても他の湾岸エリア同様、マンション成約価格の頭打ち傾向が見受けられるが、五輪関連施設の建築や国家戦略特区の指定を受けた大規模開発事業等が計画されるなど注目度が非常に高いことから、デベロッパーによる開発素地の取得意欲は依然として強く、地価動向は引き続きやや上昇傾向にある。
 
 
 
(将来の地価動向)
東京五輪関連施設や地区計画によるまちづくりが具体化しつつあり、都心部と湾岸部を繋ぐ環状2号線の開通予定のほか、銀座と有明を結ぶ地下鉄構想が掲げられるなど、開発が遅れた当地区は他の湾岸エリアの中でも将来の発展期待が高いエリアである。湾岸エリアのマンション市況はピークアウトの様相を呈しているものの、こうした将来に対する期待から堅調な需要を維持し、デベロッパーの取得意欲も引き続き強い状況が見込まれ、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。
 
 
 
 
▼青海・台場
東京都区部 港区 商業 青海・台場=今期0%横ばい(前期0~3%上昇)
 
(地価動向)

当地区は、大型商業施設を中心に各種集客施設が立地しており、外国人観光客も多数訪れる観光スポットとなっている。また、当地区では東京五輪に向けて大規模な不動産開発や都心部と湾岸エリアを繋ぐインフラの整備が予定されている。不動産に対する良好な資金調達環境は継続しており、当地区に立地する投資適格物件に対する需要も引き続き見られるものの、オフィス・商業施設の賃貸需給や投資家の想定する利回りには特段の変化が見られず取引利回りは横ばいとなっている。このような状況から主と

して収益性が反映される当地区の地価動向は横ばいで推移した。


 

(将来地価動向)

 当地区周辺では都心部と臨海部を結ぶ環状2号線の整備が進捗しており、晴海地区の選手村建築・大規模市街地再開発など、東京五輪に向けた様々な開発計画等が具体化している。また、将来的な居住人口及び交流人口の増加を勘案した、地下鉄(隣接する有明地区と都心部を結ぶ)の新設についても検討されている。投資用不動産市場における投資意欲は引き続き強い状況が見込まれるが、当地区では賃貸需給動向や取引利回りには特段の変化が見られない。このような状況の中、当地区における投資用不動産の収益性に特段の変化が見られないことから、将来の地価動向は横ばいと予想される。


 

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佃・月島地区でついに下落の可能性が示唆された。軟着陸となるのか、来年2月の次回発表に注目したい。
(参考URL)
地価動向報告(東京圏 (出典:国土交通省)
 
 
(関連エントリ)=どらったら!より
#754 東京圏で3%以上の地価上昇8地点に(+2) 地価LOOKレポート(第1四半期)
#635 豊洲「一次取得層の購入限度に接近」 地価LOOKレポート公表(第4四半期)
#530 地価は上昇傾向を堅持 地価LOOKレポート公表(第3四半期)
#462 下落要素の表記はほぼ消える 地価LOOKレポート公表(第2四半期)
#413 (メモ)地価LOOKレポート公表(第1四半期) 「ピーク感」薄まる
#344 豊洲・有明の表現に変化 地価LOOKレポート(第4四半期)
#296(メモ)地価LOOKレポート公表(第3四半期)
#234(メモ)地価LOOKレポート公表(第2四半期)
#150(メモ)地価LOOKレポート公表(第1四半期)
#30 (メモ)地価LOOKレポート公表(第4四半期)
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どらったら!(平成26年〜28年秋)の続き。
中央区とその周辺に関するメモ。

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